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ひっそりと華咲く伝記3

リクエストの続きです。
明日夜勤。今度の休みは病院なので、明日より最低でも三日間は雲隠れします<(_ _)>

それでは、ノロノロ更新ですが、それでもよければ続きをクリック~。













『ひっそりと華咲く伝記3』







「おや?月村殿ではないですか。八神に?」

「ん?あぁ、約束であったからの。わしが出来るのはこうやって時々様子を見る事しか出来ん。
そちこそ、わざわざすまん事をさせておる。本来ならわしがやるべき事なのだろうが…」

「好きでやっている事ですから。それにやるべき人がやる事。そうではないでしょうか。
それより…。フム…。気にする事は無いと思いますが…念を押すに越した事はないでしょう」

「何じゃ?」



「そう……ですね。月村殿、黙ってそこの鳥居から境内を抜けて屋敷の方向へ」


「!!またか…」



「申し訳ない。そのまま屋敷の門をくぐっても問題ないと思いますが…。夕時は二人。
密会と思われでもしたら何かと厄介」


「嫌、謝る事など。痛く無い腹を探られるのも面倒。そうじゃな。それでは後ほど」

「はい」








~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~








「やぁ、今晩は。ちょっと遅くなってしまったよ。どうかな?調子は」

「あっ、士郎さん。毎日毎日えろうおおきにです。足は良くも無く、悪くも無く。
相変わらずですわ。
でもこの体にも慣れたさかい、生活には何も問題あらへん。一生付き合うて行くもんやし…。
それにお父はんが残してくれた命です。それだけで設けもんでっしゃろ?
残された命を一生懸命、悔いの無いよう謳歌するのがお父はんに対する恩返し。何も…。
何も問題あらしまへんよ…」




青い空の端がゆっくりと赤くなって行く刻に、士郎は日課の仕事を進めていた。
駄賃も何も無い心意気だけで請け負った仕事だ。

気休めの施術をこれから受ける少女は、一冊の本ごと大事そうに自身の体を包み込むように
自身の手で抱きしめる。



そこには悲しみや苦しみなどと言った不の感情は表れていなかった。




「そうか。良い心意気だ。それでは早速始めるとしよう。足、出してくれるかな?」

「はいな」



床に敷かれた、真っ白な布団の上で、少女はゆっくりとその上体を起き上がらせ、足元の布団を捲る。
そこから、やや痩せ細った真っ白な両足が、力なく揃うように現れた。
士郎はその両足の爪先を両手で包み込むと、ゆっくりと丁寧に血流にそって動かす。




「どうかな?温かいとか。何か感じる?」

「なんも…。でも心は暖かく感じます」


「はは、こんなおじさんにゴマすったって何も出ないよ」

「ほんまの心ですわ。士郎さん、毎日毎日此処に通って、こうやって施術して下さる。
幾らお父はんの友達やからって甘えてええ事にするには…。申し訳ない思うてますねん。
それこそ何か犠牲にしとらんやろか?」



「はは、はやてちゃんは何も気にする事は無いよ。これは私が好きでやっている事だからね。
同じ年頃の娘が居る私としては見て見ぬ振りなどは出来ないって所だ」

「でも!」



「犠牲にしてるって言えば、なのはの午後の鍛錬を見れなくなった事かな?
それも午前中の鍛錬を倍にしているから問題は無いし、変わりに恭也と美由紀に託しているから、
なのはにとっては体術も習えるし一石二鳥になったって所だ。

それでも申し訳なく思うのなら…。そうだな…。
歩けるようになったら、是非なのはと山や川辺に花紡ぎでも行ったり読書でもして欲しいかな?
女の子なのに最近更に男勝りに磨きが掛かって、父としては心配で何よりなんだよ。
フェイトちゃんが後ろでおろおろと心配顔で見ている回数が増えた」



「フフ。なんや、なのはちゃんらしい。そう言えばこの前、愚痴言ってましたわ。
フェイトちゃんと寝るようになれたんのは嬉しいけど、寝る前に必ずお小言聞かされるって。
今日一日の無茶の回数を、フェイトちゃんが数えているんだって。
わたしは無茶なんてしてないのに~。とか?」



「はは、なのはもフェイトちゃんには何も言えないからな。良いパートナーになってくれて父としては安心だ。
でも、もう少しな~。もう直ぐ年頃になるというに、相変わらず、式神だの、アヤカシなどと野山などを駆け上っている。
家柄上、こっちがほっといても、あちらさんからやってくるんだ。最低の防御をと、幼少から鍛錬はさせて来たんだが…。
親としては普通の生活をして欲しいもんなんだよ。本当はね」



「そうですか?でも…。大人しいなのはちゃんは…。何かなのはちゃんや無い見たいやね。
想像できひん」

「ほら、もう皆にもお転婆と思われているだろ?はやてちゃんの爪の垢でも煎じてあげたいよ。
本好きだからね、はやてちゃんは。ん?またこの本か?読めたのかな?」



「フフ。本好きなのは必然的でっしゃろ。外に出ない分、本でしか情報は入らしませんから。
おかげで知識だけは人一倍身についています。

そうやね…。なのはちゃんと外に出るようになって、なのはちゃんにこの知識与えてもうたら…。
士郎さん、もっとなのはちゃん抑えられへんくなるんやしませんか?
遠く南蛮に行く言うたらどないします?」

「それは駄目だぞ!可愛い娘を目の届かない所なんて!なのはだけじゃない、君だってな。
娘みたいに思っているのだから」


「フフ。行かしまへんよ。この本、まだ読めへんし。それに此処には友人が仰山おりますし」

「開かないか…」



長年通った家の娘に釘を刺した士郎は、施術を終えたその手で、布団の傍らに置かれている一冊の分厚い本をとる。
この時代には珍しい、革張りの、何の変哲も無い本だ。
皮だけあって重たいが、表紙には何も書かれてなく、中に何を書かれているか窺い知れない。




「はい。家にあるのはあらかた読んでしもうてるさかい。後はこれだけ何やけど…。
何しても開かれへん。鍵も付いておらへんし、どう言うカラクリ何やろか?
フフ。何や、お父はんと遊んでいるみたいでな。
最初はイライラしてましたが、今では楽しみなんよ。この中に何が書いてあるのか」



「何だと思う?」


「はい。珍しい表装なんで、遠い南蛮の物かと。何や、作り物語だと心踊りますな」


「はは。はやてちゃんはそう言うのが好きか。他のは読みきったと言うし、家にある本を持って来られれば良いのだが…。
その…どうにも子供達は皆、こう言うの類のは駄目でな…」

「フフ。そう言うのは高町さんの子には期待しまへん。偶に遊びに来てくだされば。
なのはちゃんの笑顔だけで楽しくなるさかいになんら問題しませんよ。
そこはほら、すずかちゃんが居ますんで」



「そうだったな、月村殿のすずかちゃんも確か本好きだっけか…。
はぁ…。やはりうちのなのはは…」



「フフフ」



「笑い事じゃないぞ~。はい、今日はこれでしまいだ。後はゆっくり静養する事。
施術後は何かと体力落ちるんでな。あ、後で、月村殿も見えられるぞ。
先程道端で出会ったからな。そのすずかちゃんの差し入れでも持ってくるのだろう」



「そうですか?それは楽しみですわ。ほな、それまで横になっときます。
ほんま、何時もおおきにです。士郎さん」



「あぁ、良い良い。そんな水臭い。お礼は何時ものお茶でも飲ませてくれれば。
台所、勝手に借りてくよ」


「はい。あ、特上の玉露、仕入れてきましてん。
左の茶色い壺に入ってますから、好きに使こうて下さいな」


「お、これは楽しみだ。それじゃ、ゆっくり休むんだぞ」




笑いながら、質素な、それで居て上品な襖を閉めると、士郎はその足を台所へ向かわせた。

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