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恋のinformed consent54



待ってた人いるのかなぁ?
久しぶりのフェイト先生です。
これはフィクションです。此処に書かれている手術は、実際の物ではありませんよ。
だって温敦ドクターじゃないし。


う~ん…。フェイト先生の物語かアリサ先生の物語かわからなry

でも、こればかりはね…。なのはさんに出てきてもらう訳には…。ナースですから…。
一応見えない所で、なのはさんも頑張っているんですよ~。









『恋のinformed consent54』   








「いい?アリサ。こう言う場合はね…。位置的に左の腎臓の方からアクセスしやすいんだけど…。
そこからなら十二指腸も邪魔しないしね…」


「それじゃあ、立ち位置を交代するって事?」


「うん、本来ならね。でもこの子の場合は、後々の心臓のオペも控えてる。
だからついでに奇形も直しておきましょうってな意味でこのまましちゃうんだ。
それに私がこの位置から動きたくないし…」



「え?それって…。無茶だわ…。今から十二指腸動かして、繋がっている血管剥離して、
結紮して、脾臓避けて取り出してって…。
幾らなんでも時間が間に合わない。幾ら教授のペースに戻したとしても!」



執刀がアリサに変わったオペ室では、フェイトの助手の動きにカバーされて、
アリサのペースで時間が流れていた。

それでも、進みが遅くなった訳ではない。助手の動きが早すぎるのだ。



普通、助手は執刀医の一歩先をみて視野が見やすいように邪魔になる血管や臓器を避けたり、
血で埋まっている術野を吸引したりする。

吸引一つでも万能ではない。
吸引棒を突っ込んだら辺り一面見えるような万能なら吸引力も半端なく、文字通り臓器まで
吸引してしまい、手術が出来なくなってしまうのである。
掃除機を強にして、布団を吸引すると布団が吸引口で詰まってしまい吸引できなくなるのと一緒だ。
あと弱い吸引力でも吸引口が面一杯に臓器に触れるとこれもまた吸い込まれる。

だから吸引棒には手で持つ部分に吸気を逃がす小さな丸い穴が開いており、
吸引時はそれを指で押さえて吸引し、吸い込まれた場合はその指をずらして、吸引力をなくしてしまう。

この吸引一つでも、下手な助手に当たった場合は、最悪皮膚を吸引で持ち上げたりして
術野を返って見づらくし、執刀医のストレスの原因となったりする。


なので、学生の時に教授の助手になったり、きちんと働き出して常勤になった医者でも、
上司にあたるドクターの助手はかなり気が張り、大手術ともなると終了した後は
体重が5キロ位落ちたような感覚に陥ったりするらしい。



さらに、執刀医の方でも、こう言う器量を踏まえて助手を決めるので、短気でひねくれている教授とかは自分の使いやすいドクターしか選ばなかったりで学生に嫌われたり、
教えるが好きな教授は好かれたり。




学生もそうだ。小さいオペでも、好かれるような教授でも助手に呼ばれなくなると、
自分は器量や技術が駄目なんだと烙印をされたも同然で、そこから這い上がるか這い上がれないかは学生の腕次第。
まぁ、大部分の学生は烙印を押された理由を履き違え、徹夜する勢いで技術を磨いたりするのだが…。



それにしても、この助手。大まかな吸引は隣にいる器械出しのナースがやっているとは言え、
アリサ・バニングス執刀医の一足先、二足先もいっているのある。
執刀医が直接触れる部分の吸引はもちろん、次に触るであろう部分の剥離、結紮も少しずつやられており、アリサは手間のかかる剥離をやらないで済んでいた。


助手が執刀医の仕事をしている。

でもこれはフェイトの暴走ではなく、教えなくてもよい部分はフェイトが処理をしているといった次第で、教えるべき所はちゃんと待ち、アリサが手を付けていた。


助手によって、執刀医が持ち上げられ、時間が止まったかの様に術野が見えるのである。






それでも…。



そんな助手が、再度執刀医を変わったとしても、アリサの発言は正解だと誰もが思っていた。
もうこれ以上他に手は加えられない…と…。






「アリサ。医者はね、どんなオペでも己の力量の最善を尽くす。いや、場合によっては力量以上の力を発揮せざるえないんだ。
偶に申し訳有りませんでしたと頭を下げる場面を見かけるけども、私はね…それがどんな時だって、家族の前では頭を下げてはいけないと思っている。
患者さんや家族は全信頼をもって医者に託す。家族に不安や不信を残さないように、頭を下げる時は違う言葉。


よく頑張りました、峠は越しましたよ。信頼して頂き有難う御座いました。
もう此処には来ないで下さいね。日常生活を楽しんで下さい。いえいえ、頑張ったのは患者さん本人ですから。お体お大事に…」




「…」




「現実はね…。理想で生きていける程簡単じゃないし、申し訳有りませんでしたとなる事も沢山あるけど、気持ちはね…。


せめて気持ちだけはね、そうしないと託してくれた患者や家族に失礼にあたるから…。
大学を卒業して、研修医もこなして、常勤になって。そうして日々が繰り返しの様になっても、
流動的にならずに何時もそうやって思っていれば、自ずと技術は磨かれる。
そう、入学したての君達のようにね。」



「……」




「でも、オペは一人では出来ない。そこが落ちぶれていった学生の見当違いだ。
私もそうなっていたから大きい事は言えないんだけどね…。

相手のクセややり方を見極める勉強も必要。そこが器量の違いになる。
幾ら技術だけ磨いてそれをこれ見よがしに披露されたってね。相手から見たら喧嘩を吹っかけられている様でやりにくいんだ。
解っていたのにね…」




「教授…」




フェイトの言葉に何とも言えない表情で顔を上げたアリサに向かって、苦笑しながらフェイトは言葉を続ける。




「不器用は愚直。そうして一途に一つの技術を高めればジェネラリストとまでは行かなくても、専門ドクターにはなれる。


器用は臨機応変。一つ一つの題材に簡単に出来るからって、驕らずに中途半端に放り出さずに基礎をしっかりと身につければ、急な対応にも対処できる。
教授の時に強く評価するのはね、そこじゃないんだ」


「え?」



「技術はね、有ろうが無かろうが勉強しなきゃいずれ潰れるのは自分自身。本人だからね。
今はあっても驕れば直ぐに落ちぶれる。医療のガイドラインの進みは速いし。
だから私達が評価しなくても、そういう人は世の中が評価してくれるの。やぶ医者だとか。
評価するのは内面の器用さ。性格。素直か素直じゃないかだよ」

「教えられた事を素直に吸収する。疑問があったら質問する。教授の性格を把握する、すなわち教授を知ろうとする。歩み寄る。
これは教授側も勉強しないといけないのだけどね。君達に対しての私の評価は上の方だと記憶しているけども」




「た、確かに評価は上でした。あたしもはやてもハラオウン教授だけの評価を見れば主席と思うくらいの…。
で、でもその評価の基準内容を見れば、主席になりえる位の評価には値しないと思います。
あたしだってはやてだって、問題児でしたし…。特にハラオウン教授の授業は…」


「だから、教授も勉強なんだよ。君達はどうして問題児だったの?
授業のボイコット?実習の忘れ物?講師の選別?レポート未提出?そう言うのじゃないでしょ?
納得いかないのは率先して質問し、討論しあう。野次じゃない。
気に入らないからって無視するわけじゃなくて、その人を知ろうとするから、おちゃらけた言い方でくっ付いて来たり、私のオペを物陰から見学したり。解らないから知ろうとするんでしょ?

私もね、君との討論。嫌いじゃ無かったよ。中でも一番好きだったのは君が間違っていた時、
次の日に謝りに来てくれる事。殆どそれだったけど…。それが無ければ評価は下がっていたかもね。

はやても…。私のその日に付くオペの助手に頼み込んで一番前で見学したりとか、それとなく私に話しかけて、掲示板に張られて無い位な先の予定を聞きだしたりとか…。
そうでなければ頼み込む時間が無かったのかな?正攻法では担当が廻さないかぎり見学は出来ないからね。土下座も沢山しただろうし。
何時も私と助手のデスクに置かれているお茶は君からだと思っていたのだけど…。

二人とも私の足を引っ張る為じゃないでしょ?私の技術を学びたい。私の人となりを知りたい。その根本にあるのは患者を助けたいからだって。だから二人とも評価はオールA。

うん、素直だ。此処に赴任してからも特に思う。友達も良い。幼少の頃から恵まれた友達付き合いしていたんだね。
そういうの、他の教授にはウザイって疎まれて、問題児されていたけれど、それは教授のほうが問題。
悲しいけど、驕っている教授なんだよ。教えてあげるべき立場の人がウザイなんて本来はやってはいけないんだ。こんなに素直で学びたいって学生が目の前にいるのにね…」




「「なっ!」」

「あんた!こんな事やってたの!?」

「アリサちゃんかて、謝りに行ってたんか!?納得いかないとかブツブツ言うてたくせして!」




思いきり優しい顔で言われた言葉に、真っ赤になり二人して慌てだしたのに、フフフと小さく笑いフェイトは息を吐き出した。





「器量や素直さは教えなくても身についている二人だ。幸い、私も二人の癖や人となりは把握しているつもり。
あれだけ討論や、周りをうろちょろされたら嫌でも解っちゃうからね。二人とも器用の部類に入るし、アリサはジェネラリストだし」



「ちょ、教授!」


「アリサ、此処からは臨機応変。それを教えていくから。話し長くなったけど、オペ進めるよ。
この場合は、剥離結紮じゃなくて、十二指腸を引き出すんだ。十二指腸は伸びる。
まぁ、本来は小腸なんだけれども…」


「え……」




再開した術野でアリサが見たものは小腸を少しずつ引っ張り上げて、それをロープのようにして脾臓に引っ掛け左側に寄せているフェイトの姿。
従来のオペではありえない術野が見えている。



「これで剥離しなくても見える。でも臓器は元に戻ろうとする性質があるから、時々注意して見なくては行けないのだけども、それでも大幅に時間短縮するからこの場合は有効。
見えるよね?さて、此処から正念場だ。座滅している所、そのまま繋げるんじゃなくて、奇形の部分から人工血管にしていくんだ、どうせ同じ縫うのならってこと」


「は、はい!教授」




「なのは、準備していた人工血管と血管縫合を」

「大丈夫です。直ぐに渡せるようにセットしています」


「ごめんね、もう少し我慢してくれると助かります」

「いえ、フェイト先生の方が大変ですから。此方はわたしに任せて頂ければ」

「有難う、君でよかったよ」

「そんな事はオペが終わってから言ってください」



「フフ。そうだね、今は目の前の患者だ。あ、アリサ、その部分は少し持ち上げて…。
そう、それからこの部分をカットするんだ、そしたら処理しやすいから。
ここは、後々人工血管を通すのに使うから…」



目の前にアリサが過去に見た論文では、見たことも無い術野が広がっていた。


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温敦(おんとん)

Author:温敦(おんとん)
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でも、素人かつ文才が無いので、SSは出来るのか不安・・・
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